人形の館「マリアの心臓」入館レポートB
「中川多里」さんの人形は、本当にか細く儚げで、思わず抱きしめたくなるような人形だった。
縁側で居眠りをしている和服姿の小さな女の子。寝息が聞こえてきそうだ。
長いまつげに少しはだけた襟から白く薄い鎖骨が覗いていて、なんか守ってあげたくなる。
触れてみたい衝動に駆られるが我慢。
売約済みと書かれていたが、買った人もきっとキューンとなったんじゃないかと想像する。
お人形といっても、感情移入してしまう愛しさや人に寄り添うように作られた人形と、
人型を留めながらも綺麗なだけでは満足できない人間の好奇心、哀しみや残酷残虐さを人形に託している表現もある。
「天野可淡」さんの「可淡」という人形展示にもそう思った。
誰かにいたぶられた後のような虚ろに天井を見つめる瞳と、
放り出された裸体にまとわりつく管の妖しさに、ついまじまじと見入ってしまった。
「横井まい子」さんの絵画は今回楽しみの一つでもあった。生で見られてとても嬉しい。
一つ一つのモチーフを丁寧に描きながら、夢の中にでも彷徨ったような幻想的で甘美なムードが保っている。
瞳が独特で、感情の起伏が薄く、心はどこか遠いところを見ているようなそんな不思議な瞳をしている。
それに加え、色彩が落ち着いていているので全体的に見て品がある。
衣服の繊細な表現も好きだ。
屋根裏は天野可淡さんの人形たちとオブジェのような作品だった。
獣紳士と少女の何組かのカップリングがメリーゴーランドのようなステージで
チークダンスをしているような大きなオブジェには、びっくりした。
細工も細かく、照明もついていて凝っている。
もしかしたら、少女をさらっていくところかもしれない。怖くてムーディなかっこ良さ。
その他にもたくさんのお人形たちが居るのだが、自分の印象に残った作品を記録してみた。
お人形は、単純に遊ぶ対象であるかもしれないが、さらに考えると人間の憧れ・希望・
寂しさ・哀しさ・残酷さ・欲情などを受け止め、その心の隙間を埋めてくれる、
孤独と向きあおうとする人の受け皿だ。
ものを語らない故に、その時々の自らの心が求めるものを映す鏡だ。
「人形を愛でる」という行為は、作る側・見る側両面においてとても人間臭い行為だなと思う。
だから、とても楽しいし、物以上の愛着が湧いてくる。
私もお人形が大好きだ。静かにただ居てくれる所が心地よい。
あんな服着せたい、こんな髪型させたいというワガママにもバンバン応えてくれる
ところも爽快だ。
この施設を訪れて、この感動をこぼさず持って帰りたくなったので、
せっかくの京都土産も買い忘れるほど寄り道せずに、まっすぐ家に帰った。
縁側で居眠りをしている和服姿の小さな女の子。寝息が聞こえてきそうだ。
長いまつげに少しはだけた襟から白く薄い鎖骨が覗いていて、なんか守ってあげたくなる。
触れてみたい衝動に駆られるが我慢。
売約済みと書かれていたが、買った人もきっとキューンとなったんじゃないかと想像する。
お人形といっても、感情移入してしまう愛しさや人に寄り添うように作られた人形と、
人型を留めながらも綺麗なだけでは満足できない人間の好奇心、哀しみや残酷残虐さを人形に託している表現もある。
「天野可淡」さんの「可淡」という人形展示にもそう思った。
誰かにいたぶられた後のような虚ろに天井を見つめる瞳と、
放り出された裸体にまとわりつく管の妖しさに、ついまじまじと見入ってしまった。
「横井まい子」さんの絵画は今回楽しみの一つでもあった。生で見られてとても嬉しい。
一つ一つのモチーフを丁寧に描きながら、夢の中にでも彷徨ったような幻想的で甘美なムードが保っている。
瞳が独特で、感情の起伏が薄く、心はどこか遠いところを見ているようなそんな不思議な瞳をしている。
それに加え、色彩が落ち着いていているので全体的に見て品がある。
衣服の繊細な表現も好きだ。
屋根裏は天野可淡さんの人形たちとオブジェのような作品だった。
獣紳士と少女の何組かのカップリングがメリーゴーランドのようなステージで
チークダンスをしているような大きなオブジェには、びっくりした。
細工も細かく、照明もついていて凝っている。
もしかしたら、少女をさらっていくところかもしれない。怖くてムーディなかっこ良さ。
その他にもたくさんのお人形たちが居るのだが、自分の印象に残った作品を記録してみた。
お人形は、単純に遊ぶ対象であるかもしれないが、さらに考えると人間の憧れ・希望・
寂しさ・哀しさ・残酷さ・欲情などを受け止め、その心の隙間を埋めてくれる、
孤独と向きあおうとする人の受け皿だ。
ものを語らない故に、その時々の自らの心が求めるものを映す鏡だ。
「人形を愛でる」という行為は、作る側・見る側両面においてとても人間臭い行為だなと思う。
だから、とても楽しいし、物以上の愛着が湧いてくる。
私もお人形が大好きだ。静かにただ居てくれる所が心地よい。
あんな服着せたい、こんな髪型させたいというワガママにもバンバン応えてくれる
ところも爽快だ。
この施設を訪れて、この感動をこぼさず持って帰りたくなったので、
せっかくの京都土産も買い忘れるほど寄り道せずに、まっすぐ家に帰った。